Flyfishing History  悪戦苦闘の日々

前チンと一緒に初めて訪れた釣具屋、上〇田釣具店の狭い階段を2階に上がると、そこはルアー&フライコーナーがありました。
フライコーナーにはオービス、ハーディー、などの高価なリール、ロッドとともにレッドウイング、LLビーン、バブァー、コールマンなどのアウトドア製品も置いてあり、僕はFF=アウトドアという図式を確信したのです。
そして二人ともダイワの安いロッド、リール、ベストそして股下までのゴム製のブーツウェイダーと少々の毛ばりを購入しました。

それから僕らは近場の川に何度か通いました、W君も仲間に引きずり混みました。その後残りのスキーチーム全員が道具を揃えたのです。

6人全員が前チンのペースにはまっていったのです。

しかしその年は誰一人として魚を釣ることはありませんでした。ドライフライに魚が出ることさえもありません。

後で分かったことですが僕らは、アマゴ、イワナがいない川で釣りをしていたのです、愛知県の足助周辺がその頃行った川です。
僕は前チンに「やっぱ岐阜の川に行かなければ釣れないと思うけど、地図で見たけど馬瀬川がいいような気
がするから今度そこに行かない?」 (最初の頃は うませ川 と読んでいました)

スキーシーズンが始まる少し前、僕らは初めてのまともな渓流、馬瀬川を目指しました。
(この頃は禁漁期間の存在も漁協の存在さえも知らなかったのです)

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  前チンファミリーと馬瀬川でディキャンプ&釣り


しかし馬瀬川でも釣れません、そうこうしているうちに待望のスキーシーズンが始まりました。スキーは順調に上手くなり岐阜のスキー場では僕達チームより上手い奴は見当たらなくなり、次第に白馬の八方に行くようになり、そこで行われる草レースにも出るようになりました。

そしてあっという間にスキーシーズンも終わり、2年目の渓流がスタートします。

ある日、本屋で立ち読みしていると、アングリングというフライ&ルアーの雑誌の記事に目が止まりました。
「蒲田川、早春の雪の中、ドライフライでバンバン釣れる」そんな内容の記事、 名古屋のプロショップの店長S氏が投稿したレポートです。コレだ! 早速その本を購入し前チンの家に行きました。
「前チン、ココなら絶対釣れるよ!蒲田に行こう」 そして僕らは千種区にあったそのプロショップを訪れ、S氏から情報を仕入れついでに本に出ていた毛ばり「ノーハックルダン」を購入しました。 これでやっと釣れるぞぉー

あたり一面の銀世界の中、蒲田川は流れています、フライマンも大勢いました。僕らはそこで初めてライズという物を見ました。
「タラ。ライズしてるぞー  あの魚 おれのもんだなー」 前チンが毛ばりを打ち込みます。
しかし魚はウンともスんとも出てきません。次に僕が試みますが全く同じです。何度フライを打ち込んでも魚は出ません。せっかくアマゴを串に焼いて食べる準備までしてきたのに、ランチは焼きそばのみになってしましました。

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 蒲田川 多分この写真は川に入る前だと思います、気合が入ってそうですから。

僕達は結局何も手にできないまま、平湯峠を落胆しながら帰っていきました。 
「あれだけ人がいたら魚も釣れないって」 前チンが自分にも慰めるように言います。

しかしめげることなく二人は馬瀬川を中心に釣りに出かけます。しかしこれほど釣れない釣りに嫌気が指したのか、メンバーは次第にFFを辞めて行きました。

しかし転機は訪れたのです、5月後半になった頃前チンから電話がきました。
「タラ、今度の馬瀬川だけど、俺の小学校の同級生で釣りばかりやっていたYを連れていくから、Yはフライのプロショップも自分で開設してる奴だから教えてもらえるぞ!あと俺の兄貴の連れでSさんも一緒に行くからな。Sさんもフライやってて上手いらしいぞ」

初めて人に教えてもらえることになったのです。

この日の釣りは目からウロコが飛び出る事ばかりでした、まず馬瀬川をめざしましたが、普段僕らが通っていた場所よりもかなり上流を車は目指しました。Sさんに「僕らはいつもこの辺で釣りやってましたけど」と聞くと
「バッカだなーこんなとこアマゴ居ないよ。岩屋ダムのもっと上までいかなくてはダメだよ」
僕らの馬瀬川は金山から少しだけ上流の所でした、そして西村の堰堤のあたりで釣り券を購入しました。
「釣り券ってなんですか?」 Sさんに聞くと「釣りやるのに釣り券買うのあったりまえだろー」

僕らはそーいうシステムを知らなかったのです。漁協の存在も初めて知りました。蒲田でも同様でした。
Sさんが「今までよーやってきたなー」笑いながら話ます。

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  Sさんと初めての釣り

川に着くと最初、僕はSさんと一緒に入りました。やがて釣り始めるとすぐに大きな指摘をうけます。
「タラ君、いちいちラインをリールに巻かなくてもイイんだよ、リールはラインをしまっていおくだけのケースと思って、最初に投げる分だけ出しておいて、手でラインをたぐるんだ」
「えっー 本当ですか?」
 目から一つ目のウロコが落ちました。

僕も、前チンもいままでずーとルアー釣りのようにフライが着水すると同時に、毎回毎回ラインをリールに巻いていたのです。

「よく見てな」Sさんが見本を見せてフライが落ちるとすぐに白い魚体が走り、フライを喰わえました。
いきなり20センチほどのアマゴがSさんのロッドに掛かりました。

「うぁー アマゴですねー すごく綺麗だ」 馬瀬川のアマゴはあの料理屋で串に刺さったアマゴより、数段綺麗で可憐で美の極限の美しさがありました。 そしてここで目から二つ目のウロコが落ちました。
Sさんは釣ったばかりのアマゴを逃がしてしまったのです。

「えっー なんで放しちゃうんですか?」 「タラ君、キッチ&リリースと言って、FFは魚を食べる為にやるのではなく、釣りそのものを楽しむ、そういう釣りなんだ。もちろん持って帰って食べてもいいけど、あとは個人の自由だよ」 C&R 初めて聞く言葉です。 でも僕はまだそこまで到達してません、ひとまず今日は1匹釣らなければ、そしてそのポイントが終わると順番に上流へ釣り上がりました、そこで本日3回目のウロコがおちました。

FFはどんどんつり上がっていく釣りだったのです、今まで僕らは同じところで何どもロッドを振り、釣れなければ車で次のよさそうな所へ移動していたのです。
「タラ君、だからそのウェーダーでは駄目なんだ、僕のみたいに靴底にフェルトが貼ってなければね」
僕らの靴の底は長靴の延長みたいなふつうのゴム製の物でした。僕は何ども川でコケながらSさんを追いかけていきます。

1ラウンド終わり前チン達と合流すると彼も同じような体験をしたのか、苦笑いです。そしてY君に「今日、どうしても釣りたい!絶対に釣れる場所に連れて行ってくれ」半分強制的に頼み込みました。

Y君は「じゃ山を超えて反対側の益田川に、秘密のA谷という谷があるからそこに行こう。その上流に養殖場がありそこから逃げた魚がバカスカ釣れるから」

夕方に着いたA谷は馬瀬とは全く違い、源流のような感じです、今度は僕がY君と入ります。
「タラ君、このフライ使ってみて、エルクへアーカディスと言うんだけどよく釣れるから」 Y君に貰ったそのフライは初めて見る形でした。こんなんで果たして釣れるんかいな? しかし釣り始めてすぐにそのフライに魚が食いついたのです。合せが強すぎて後方に魚は飛んで行きましたがまだ毛鉤が刺さっていました。

「やったー やったよーY君。とうとう釣れたぞ」 近寄ってみると15センチほどの魚は綺麗なパーマークが有りましたがアマゴの特徴の失点がありません、「これはもしかしたらヤマメかぁ」
Y君に見せると笑われながら「それはニジマスだよ、小さいニジマスはパーマークがあるのさ、大きくなると消えてなくなり虹色の線が出てくるんだ」 そーか少し落胆しましたが、僕は初めて魚を釣ったのです。そして同じサイズのニジをもう一匹追加し、前チン達と合流しました。前チンも釣り上げていました。
「タラ、これ見てみろよ」 前チンの釣ってた魚はアマゴともニジマスとも違い黒い魚です。
「前チン、それってもしかしてイワナ?」 「そーだよ、イワナだ、まいった?」

やられた、前チンに先に釣られたぁー、 しかもイワナを。 悔しい気持ちで一杯でしたが僕もなんとか釣れました、ひとまず目標達成です。 

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これで釣り方も解ってきたし、僕らは晴れ晴れした気持ちで空を見上げます。

これで希望の光が見えて来たのです。

そのうちまた続く。 
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by naru-kato | 2012-07-07 08:58 | FlyFishing 2012 | Comments(2)

Commented by YUKI at 2012-07-08 00:47 x
今晩は。フライを始めた頃のお話、僕も同じようなものでした。懐かしく拝見しました。失敗の連続、目からウロコが落ちどうし。楽しく、また若い頃のことが思い出されます。
Commented by naru-kato at 2012-07-08 07:15
>YUKI様 長文読んで頂きましてありがとうございます、今から二十数年前の話ですが、初めて釣った日の会話、情景など今でもはっきり覚えています。情報が少なかったあの頃は皆さん同じようなものだったのですね。